連番 | 役・種類 | セリフ・内容 | 備考・メモ(書き込み可) |
1 | ト書き | マミの部屋の前に食事を運んでくるお母さん | |
2 | BGM |
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3 | お母さん |
「マミちゃん、起きてる? ご飯ここに置くね
それと……、何度も言うけど、出てきたくなったらいつでも出てきてね
少しだけでもいい。お母さん待ってるからね
娘が部屋に閉じこもって、もう何年になるでしょうか
このまま社会から取り残されてしまったら一体どうなってしまうのか、不安で胸がいっぱいです
早く出てきて欲しい、そう思いながらも私は何も出来ずにいます
恥ずかしながら娘がなぜこんな事になったのかわからないのです
家族としてのコミュニケーションが足りなかったのでしょうか
あの子の考えてる事がわからないなんて、私は母親として失格です
ああ、マミちゃん、早くまた顔を見せてお話しさせて! マミちゃん!」
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4 | BGM |
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5 | SE |
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6 | マミ | 「なにー?」 | |
7 | お母さん | 「……え、ええええ!?」 | |
8 | マミ | 「お母さんおはよー。なんか久しぶりだねー」 | |
9 | お母さん |
「マミちゃん! ど、どうしたの!? なんで出てきたの!?
いえ、どうしてずっと閉じこもってたの!?」
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10 | マミ | 「いやー、ちょっとネトゲにはまっちゃって、危うく廃人になるところだったよー」 | |
11 | お母さん |
「何言ってるの、あなたは数年も閉じこもっていたのよ!?
完全にネトゲ廃人でしょう!」
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12 | マミ | 「え、数年?」 | |
13 | お母さん | 「そうよ、あなたはもうずっと何年も部屋に閉じこもっていたのよ」 | |
14 | マミ | 「私、いつの間にそんなに長い間……」 | |
15 | お母さん | 「マミちゃん……。大丈夫よ、今からでも取り戻せるわ。お母さんもついてるから……」 | |
16 | マミ | 「てことは私、もう大人になったんだね!」 | |
17 | お母さん | 「え?」 | |
18 | マミ | 「よーし、大人になったからには今まで出来なかった事をするぞー!」 | |
19 | お母さん | 「ち、ちなみに、どんなことをするの?」 | |
20 | マミ | 「えっと、まずは……。そうだ、内乱中の国とかで医療活動のボランティアをやるの!」 | |
21 | お母さん | 「いきなりすごく大変そうな事をしようとしてる!?」 | |
22 | マミ | 「戦場で傷ついた人を助ける私……あぁ、素敵、まさに天使! 戦場に咲く一輪の花!」 | |
23 | お母さん | 「あのね、マミちゃん。志はすごく立派だとは思うけど、いきなりそんなこと出来るの?」 | |
24 | マミ | 「大丈夫だよ、私これでもファイター兼ヒーラーだったから体力と回復力には自信があるんだ」 | |
25 | お母さん | 「全然大丈夫じゃないわ」 | |
26 | マミ | 「あ、お母さん廊下のカーテン締めっぱなしじゃない。開けるよ。……うっ!」 | |
27 | お母さん | 「マミちゃん! どうしたの、大丈夫?」 | |
28 | マミ | 「ごめん、なんか久しぶりに太陽の光を浴びたら立ちくらみがしちゃって」 | |
29 | お母さん | 「本当に大丈夫じゃないわこの子」 | |
30 | マミ | 「これでもステータスはカンストしてるんだよ」 | |
31 | お母さん | 「あんたのリアルは初期ステ以下だから」 | |
32 | マミ | 「お母さんよくそんな言葉知ってるね」 | |
33 | お母さん | 「そんなことはどうでもいいの。いい? よく聞いてマミちゃん。あなたはもっとゆっくりと社会に慣れていかなくては……」 | |
34 | SE |
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35 | マミ | 「あ、電話が鳴ってる。出てくるね」 | |
36 | お母さん | 「あ、ちょっとマミちゃん! ……はぁ、なんであの子は出てきたばかりであんなに元気なんだろう」 | |
37 | マミ | 「……はい、もしもし。はい、はいそうです。ええ」 | |
38 | お母さん | 「しかもちゃんと受け答えが出来てる。普通何年も引きこもってたらもっとコミュ障よね」 | |
39 | マミ |
「ええ! そうなんですか!? 友達を紹介するだけでいくらでもお金が!?
はい、入会金が50万円ですね? すぐに用意するので振込先は……」
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40 | お母さん | 「ちょっと待ったあああ!!」 | |
41 | マミ | 「うわ、お母さん! どうしたの!? なんでいきなり電話きっちゃうの? 相手に失礼でしょ」 | |
42 | お母さん | 「失礼とかじゃなくてこれは詐欺だから! 真に受けちゃだめでしょ!」 | |
43 | マミ | 「お母さん、人を疑ったりなんかしちゃダメだよ。人を信じることをしないと、人から信じてもらえないんだよ」 | |
44 | お母さん |
「そういうことじゃないの。言ってることは良いことかもしれないけど、社会ってそういうものじゃないの
あなたもね、社会に出て働くようになればわかると思うけど……」
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45 | マミ | 「あ、そうそう。私ね、働こうと思っていい求人みつけたんだ。ボランティアに行くためにもお金は必要だしね」 | |
46 | お母さん | 「だからなんでこの子はこんなにアクティブなのよ。とてもさっきまで引きこもってたとは思えないんだけど」 | |
47 | マミ | 「見て、これこれ。20代女性限定の肉体接客業で日給3万以上。clubヌルヌル天国だって」 | |
48 | お母さん | 「そんなこったろうと思ったわよ! それどんな仕事かわかってるの?」 | |
49 | マミ | 「大丈夫だよ。私ギルドでは初心者さんに色々教えたり……」 | |
50 | お母さん | 「ネトゲの話はもういいわよ! あんた完全にゲーム脳じゃないの!」 | |
51 | マミ | 「お母さんホントよくそんな言葉知ってるね」 | |
52 | お母さん |
「……そう、そうよ、そうだった。思い出したわ。
家族としてのコミュニケーション不足とかそんなんじゃなくて
もともとこの子は何考えてるのかよくわからない子だったわ
信じやすくて思い込みが激しくて、思い立ったらすぐ突っ走って変なことをして
心配させて周りにも迷惑をかけて……
この子が部屋に閉じこもり始めたときも、また変なことやり始めたと思って放っておいたんだったわ
それでいつの間にか数年もたっていただなんて……」
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53 | マミ |
「あ、それとね、ネットで見つけた信者募集の広告で、
教祖様の教えを聞けば人生ハッピーになって天国に行けるっていうのがあってね、
後でここにも行ってみようと思って……」
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54 | お母さん | 「マミちゃん、よく聞いて」 | |
55 | マミ | 「ん? どうしたのお母さん?」 | |
56 | お母さん | 「マミちゃんはね、そんなに急がなくてもいいんじゃないかしら?」 | |
57 | マミ | 「え?」 | |
58 | お母さん |
「ほら、まずは近所をお散歩するとか、そういう簡単なことから始めるべきだとお母さんは思うわ。
それから徐々に色んな事を始めればいいのよ」
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59 | マミ | 「大丈夫だよ。それに今すぐやりたいんだ。ほら、善は急げとか、思い立ったが吉日って言うじゃない」 | |
60 | お母さん | 「でもね、マミちゃんはまだ子供なんだし……」 | |
61 | マミ | 「もう子供じゃないよ。大人だよ。へーきへーき、なんとかなるって」 | |
62 | お母さん | 「なんとかならないわよ!!」 | |
63 | マミ | 「お、お母さん?」 | |
64 | お母さん |
「大丈夫大丈夫って、どこが大丈夫なのよ! あなたは昔からそうやって心配ばかりかけて
どうしてそんな勝手なことばかりするの!? どうしてお母さんの言う事を聞かないの!?」
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65 | マミ | 「お母さん……」 | |
66 | お母さん |
「社会と言うのはね、あなたが思っているよりもずっと複雑なの
いい人もいるけど、悪い人もいっぱいいる
あなたはただでさえそそっかしいんだから、もっとゆっくりと世の中の事を知っていかなきゃならないのよ」
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67 | マミ | 「……でも」 | |
68 | お母さん |
「でもじゃないの!誰だっていきなり何でも出来るわけじゃないのよ
……ゆっくりでいいの。そう、ゆっくりと一つずつ」
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69 | マミ | 「……ダメ。そんなのやだ」 | |
70 | お母さん | 「マミちゃん!!」 | |
71 | マミ | 「ダメなの! 私にはもうそんな時間なんてないの!」 | |
72 | お母さん | 「……マミちゃん?」 | |
73 | BGM |
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74 | マミ |
「ずっと引きこもっていて、私はもう何年も遅れちゃってるんだよね?
だったらゆっくりなんてしてられないの、私は私の人生の一部を無駄にしちゃったんだから!」
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75 | お母さん | 「そんな、無駄だなんて……」 | |
76 | マミ |
「それに、今までお母さんにたくさん迷惑かけた。でももうそんなこと出来ない
無駄にした分、迷惑かけた分、私は頑張らなくちゃならないの!」
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77 | お母さん | 「マミちゃん……」 | |
78 | マミ |
「そして急がないと、私みたいな引きこもりはどこも働かせてくれなくなっちゃう
履歴書の空白が多ければ多いほど、ブラック企業で安い給料でこき使われる
社畜人生しかなくなるの」
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79 | お母さん | 「あなた、詐欺に騙されそうになってたのに、そんなことだけは知ってるのね」 | |
80 | マミ |
「私は頭悪いし、失敗ばっかりするからお母さんも心配しちゃうかもしれないけど……
でもね、私は頑張るから! 一生懸命頑張って立派な人になるから!
だからお願い、私を信じて!」
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81 | お母さん | 「マミちゃん、あなた……」 | |
82 | マミ |
「私はお母さんの事が好きだよ。だからお母さんの娘として自分を誇れるようになりたいの
自分が何も出来ないなんて思いたくない。
私だって何かが出来る、私だって何かで一人前になることが出来る
私がそうなれるって、お母さんにも信じてもらいたいの!」
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83 | お母さん |
「そう、よね……。お母さんが信じてあげないとダメよね……。ごめんね、マミちゃん
せっかくあなたが頑張ろうとしてるんだから、お母さんが応援しないとダメよね」
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84 | マミ |
「うん。私は頑張るから。だから応援して。
色々失敗もするかもしれないし、うまくできないかもしれない
でも、いつかちゃんと立派になってお母さんに楽をさせてあげるから
私が親孝行出来るようになるまで、待ってて」
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85 | お母さん |
「うっ……マミちゃん……。いつの間にかこんなに立派になっていたなんて
ごめんね、お母さんが間違ってたわ。自分の娘を信じてあげない母親なんて……」
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86 | マミ |
「謝らないでお母さん。私が悪いんだよ
それに、立派になるのはこれからだよ。
今なんかよりもずっとずっと立派になるんだから」
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87 | BGM |
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88 | お母さん | 「ううん、マミちゃんはもう立派よ。母親として誇らしいわ」 | |
89 | マミ | 「ふふ、やだなぁそんなこと言っちゃって。私もお母さんの娘で誇らしいよ」 | |
90 | お母さん | 「もう、この子ったら……。ところでマミちゃん」 | |
91 | マミ | 「ん? 何?」 | |
92 | お母さん | 「外で知らないおじさんに、お金あげるからついておいでって言われたらどうする?」 | |
93 | マミ | 「わぁ、お金くれるなんてすごく親切なおじさんだね。私、頑張っておじさんのお手伝いするよ!」 | |
94 | お母さん | 「やっぱダメだわこの子!!」 | |
95 | マミ | 「え! どうしたの!?」 | |
96 | お母さん | 「マミちゃん、さっきギルマスからスカチャ来てたわよ」 | |
97 | マミ |
「え、ホント?ちょっと見てくるね
……あれ? 何も来てないよ? というかずっと一緒にいたお母さんにわかるわけないじゃない」
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98 | お母さん | 「えいっ!」 | |
99 | SE |
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100 | マミ | 「え!? ちょっとお母さん! なんでドア閉めるの?」 | |
101 | お母さん |
「あなたが外に出るのはまだ早いわ。もう暫くネトゲやってなさい
あなたサブマスなんだから次のイベも頑張らないとダメでしょ」
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102 | マミ |
「そんな! せっかく私やる気になったのに! って言うかなんでお母さんそんなこと知ってるの!?
絶対私のギルメンでしょ? ねぇ、ねぇってば! お母さん?お母さ〜ん!!」
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103 | BGM |
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104 | ト書き | 終わり | |