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情動の書庫 -Emotional archive-

無料のオリジナル声劇台本置き場

作品の解説及び演出例

 ここでは台本のストーリー構成の解説や、演じる、または作品にするに当っての演出例を記載したいと思います。

 ですが、別にこれが正しいとかこういう風にやらなければならないとか、そういうことではありません。自由に解釈して自由に演じてもらうのが一番です。むしろ、先入観を持ちたくないというのであれば、見ないほうが良いかもしれません。

 しかし、台本を一読しただけで演じなければならない場合の多い声劇では、台本を自分なりに理解した上で自己演出をつけるのが難しいかと思われます。または、「ストーリーの全体を把握した上でシーンの意味と自身の役割に即した演技を考える」ということにピンとこない方も多いかと思います。

 これらを補助するために1例を書いてゆきたいと思いますが、あくまでも1例であり、「こんな考え方もあるんだ」程度に読んでいただければと思います。

ありがとうを言葉に

 実は、自分で書いておきながらあまりこの作品が好きではありません……。でも、人からの評価はその前の2作品より高いことが多いのが不思議です。

 長めな割に大きな展開もなくて、淡々と物語が進んで終わる印象ですよね。僕はもっと、アングラや小劇場な感じの方が好きです。なんだか男2を主人公に据えれば、高校演劇コンクールの作品みたいになりそうですね……。

 というか、前2作が小劇場的であったので、ワンパターンにならないようにしようと書いたのがこの作品です。そして、いくつか思惑もあります。

 まず、どのシーンも常に2人しか登場しないという構成です。この構図でストーリーが展開して行ったら面白いかなと思ったのですが、どちらかと言えば演劇などでの視覚的なものが伴ってわかる面白さだったかもしれません。声劇で演じる場合ではやや不利なので、場面転換用のジングルで聴覚的な切り替えを作れたらなと思います。

 しかし同時に、全てのシーンが2人だけというは、声劇用の意味もあります。それは、演じるにあたって「会話」を意識しやすくするためです。

 演技の初心者や声劇から演技を始めた人たちは、大抵「会話」の成立、つまり「言葉のキャッチボール」が意識出来ていない方が多いように思います。ネット越しでの演技のやり取りでは確かに難しいことではありますが、作品の成立や演技力の向上には必要不可欠ですし、これが出来ないから声劇は次の段階へと発展でき無いのではないかと、個人的に思っています。

 そして、これが意識できてくれば演じることのさらなる楽しさを感じることが出来ると思います。「相手がこう出てきたから、自分も合わせて返してやろう」とか、「自分があえてこうやったら、向こうもこう返してきた」など出来れば、演じる空間がまるで生き物の様に変化し続けます。これはとても楽しいです(小並感)。

 淡々とした台本ではありますが、一つ一つの「会話」がしっかりと出来れば聞き飽きない作品になれると思います。それだけ意識してもらえれば、全体的には好きな様に演じていただいて構わないです。なので、シーン毎の細かい解説や演出はありません。思い切った事をやってもいいかもしれません。例えば、あえてシーンを時系列バラバラに進める、など。

 解説・演出例と言っておきながら、こんなにあやふやな話だけで申し訳ありません……。

 以上となります。ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました。

 上記はあくまでも一例であり、拙作ですが皆様の解釈やアレンジで色々な形でやってみていただければ幸いです。

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