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情動の書庫 -Emotional archive-

無料のオリジナル声劇台本置き場

【声劇台本】雨ハザアザアト降リ、アノ男ハ消エタ

●タイトル画像

必要であればご自由にご利用ください。(512×348)DL

●台本をテキストファイルで保存

台本のテキストファイルです。DL

※DLしたテキストが改行されていない場合は、こちらをコピペしてください。

●解説・演出例

台本の解説及び演出の一例です。※準備中

●ストーリー構成図等

構成段階で作成したものです。興味がありましたらどうぞ。DL

●上演時間目安

10分〜15分

●あらすじ

土砂降りの雨に濡れた女性を乗せたタクシードライバー

消えた恋人を探す女

不思議な一夜が始まる

●利用規約

基本的には利用、公開、改変等は許可不要で自由ですが、公序良俗に反する行為等は禁止しています。

詳しくは「利用規約」をご確認ください。

●配役(演じる役のラジオボタンを選択してください。選択した役のセルの色が変わります。)

選択役名セリフ数役柄
男135タクシードライバー
女132タクシーの客

●配役メモ(キャスティング等のメモ用)

●BGM・SEの利用について

青いボタンをクリックするとスクリプトが実行され、ボタンに記載された動作を行います。

・BGMやSEを利用するかどうかは自由です。もちろん、別の音楽を用意して使用しても構いません。(その際は、著作権に注意してください)

・ここで使用しているBGM及びSEは全てフリーの作品を利用させていただきました。詳細はページ最下部に記載しています。

・ブラウザをリロードすると音量やシークがリセットされますが、備考に入力した文字もリセットされるのでご注意ください。

・フェード・アウト等のScriptの実行中にプレイヤーの音量やシークを変える、又は同じScriptを実行すると、Scriptが正しい動作を行わない場合があります。

・ご利用のブラウザや環境によってはBGMが再生出来ない場合や、演出効果のScriptが動かない場合があります。

・Skype等の音声チャットを利用する場合は、ステレオミキサーでミキシングを行ってる方が再生してください。また、ライブ配信の場合は配信される方がミキシングを行ってください。

●全体の音量をセット(シークも最初に戻します)

現在のセット音量:100%

全ての音を停止・リセット・スクリプト実行チェックの文字を全て消去

※動作待機中のスクリプト(◯秒後にF・O等)は残ります。完全にリセットする場合はブラウザの再読み込みを行って下さい。

連番役・種類セリフ・内容備考・メモ(書き込み可)
1BGS

2

「深夜の土砂降りの雨の中、傘も差さずに道端に立つ白い服を着た髪の長い女が、私の車に合図を送ってきた。
タクシードライバーである私は停まらないわけにはいかないのだが、気が重い。
いくら急な天気の荒れ方だったとしても、雨に打たれるまま道に立つ女だ。
場所も良くない。女が立っている後ろの建物は、夜の世界の店が多く入っている雑居ビルだ」

3SE

4

「あまりシートを濡らさないでくださいね」

5SE

6

「どちらまで?」

7

「……練馬まで」

8

「駅前でよろしいですか?」

9

「ええ」

10ト書き
11

「ふふ、ふふふふ……」

12

「気持ちの悪い薄笑いを浮かべている女は、やはりまともではないのだろう。
しかし、これは仕方のない事だ。なぜなら、女は皆、頭がおかしいからだ。
あの女も頭がおかしかった。あんなに助けてあげたっていうのに……」

13

「……災難ですね。急な土砂降りに当てられて。何かあったんですか?」

14

「……聞いてくれますか? 運転手さん、私の話、聞いてくれるんですか?」

15

「え、ええ」

16

「2週間前にね、恋人が消えたんですよ」

17

「恋人が、消えた?」

18

「ええ。私、その男にお金を貸していて。たくさん貸してました。大金です。
でも、消えちゃいました。しかもその男、他に女もいたんです。それも何人も」

19

「そうですか……」

20

「大金。大金だったんです。彼が、どうしてもって言うから。
女も、たくさん、たくさん、たくさん、たくさん……」

21

「はぁ……」

22ト書き沈黙 雨の音が響く
23BGS

24

「2週間前っていうと、殺人事件がありましたよね。ちょうど2週間前に」

25ト書き女から返事はない 雨の音が響く
26BGS

27

「本当にひどい雨だ。最近多いですよね。こんな、突然の大雨が」

28

「……この間、近くで事故がありましたよね。ちょうどこんな雨で、女性を一人乗せたタクシーが」

29

「ええ、知ってます」

30

「そのタクシーの運転手は、横転した車に挟まれて、体の上下が切断されたらしいですね。
どんな気分なんでしょう。体が2つに千切れるのって」

31ト書き男は無言
32

「あの男も、2つに千切っちゃえば良かったかな」

33ト書き沈黙 雨の音が響く
34BGS

35

「ひどい目にあったのなら、それを学習しなければなりませんね」

36

「……え?」

37

「だから、ひどい目にあったことを学習して、次に活かさないと」

38

「過去のことになんて、出来ると思います?」

39

「いや、実はですね、最近、あなたと同じ様な状況の女性が身近にいましてね。
男に騙されて、大金を貢いでしまって、捨てられたって。
だから私、結構な額を援助しまして。お店でもかなり使いました。ノルマが達成出来ないと辞めさせられるからって」

40

「……お店? 水商売の人?」

41

「ええ、お水の娘でした。悪い男に引っかかったんですよ。
彼女の負債はかなり大きかったらしく、私みたいなしがないタクシードライバーの貯金なんてすぐに底を尽きてしまいました」

42

「そしたらね、彼女、もう迷惑はかけられないって、一方的にいなくなっちゃったんですよ」

43

「でも、やっぱり心配でして。探しましたよ、彼女のこと。そしたら、そのお店の系列店にいましてね。様子を見てみたら、そこのお客さんから援助を受けているようでした」

44

「それって……」

45

「でもそれだけじゃまだ心配だから、もう少し調べたんですよ。そしたら彼女、ホストと同棲してました」

46

「ホスト……」

47

「でも彼女、どうもそのホストに貢いでるみたいで。しかもそのホストが、ひどい男なんですよ。同じように貢がせてる女が何人もいました。だから殺しました」

48

「え?」

49BGS

50

「これで彼女は救われると思ったんですよ。彼女を騙していたホストから解放されて。
でもこのことを彼女に伝えたら、すごく怯えられてしまって。男に騙されて捨てられたのは嘘だって言いました。だから彼女も殺しました」

51

「え、あ、あの……」

52

「次の日に乗せたお客はキャバ嬢でした。そいつも自分のお客に嘘をついてました。だから殺しました。
その次の日に乗せたOLは、恋人に隠れて二股をかけているようでした。だから殺しました。
さらにその次の日に乗せた女子高生は、見知らぬ男をチカンに仕立てあげて金銭を要求しているようでした。だから殺しました。」

53

「あの、ここ、どこですか? 雨で見えづらいですけど、都心じゃないですよね? あ、あの……」

54

「女は皆、頭がおかしいんですよ。だから私、女性のお客さんが乗ったら、殺すことにしたんですよね」

55

「ひぃっ!」

56

「ホストも彼女もキャバ嬢もOLも女子高生も、皆この辺りに埋めたんですよ。最初はたいへんでしたけど、学習しましたから。今はもう、スムーズに処理できる様になりました」

57

「あのっ、誰にも言いませんから、私、誰にも言いませんから。降ろして下さい、お願いします。降ろして下さい!」

58ト書き男は無言
59

「お願いします、降ろして下さい。私は男の人を騙したりなんてしてません。私は騙された方です。だから、だから……!」

60

「どうして降りたいんですか? そんなに私の運転が不安ですか?」

61

「え?」

62

「今度は大丈夫ですよ。学習しましたから」

63

「何を言って……」

64

「ほら、見えますか? これでもちゃんと運転出来るんです。学習したから大丈夫です。体が2つに千切れていても」

65

「いやぁっ!!」

66SE

67ト書き沈黙 雨の音だけが響く
68BGS

69

「……あの、すみません。事故のこと、変な風に言ってしまって」

70

「……しかし、女が皆、頭がおかしいのなら、あのホストはまともだったのでしょうか?」

71

「え?」

72

「何人もの客を騙し、貢がせ、最後には風俗に落としてました。風俗に落とすと、紹介した人間にお金が入るんです。
しかもそこはタチの悪い店で、ほとんどヤクザの直営店でした。落とされた女性は、辞めることも出来ない様でした。
まあ、風俗に落とされてなお貢いでいた様ですから、辞めるという考えもなかったのかもしれませんが」

73

「そんな……」

74

「だから私は、あの男を殺しました。2週間前、お客さんが立っていたあのビルから出てきたところを捕まえて」

75

「2週間前……。あのビルから……?」

76

「でも彼女は私に怯え、罵りました。私は、あの男を殺すべきではなかったのでしょうか?」

77

「……あの男に騙されていたから、助けられたことに気付かなかったのではないでしょうか。
私も、気づきませんでした。あの男がいなくなってようやく、気付きました。

……あなたの、お陰です」

78

「……私は、きっと彼女にそう言ってもらいたかったのでしょうね」

79BGS

80

「着きましたよ。ね、学習したでしょ?」

81

「あなたは、これからどうするのですか?」

82

「……もう一度考えてみようかと思います。学習しなければいけませんからね。あ、お代は結構ですよ」

83

「ありがとう、ございます……」

84SE

85

「タクシーを降りて振り返ると、その姿は忽然と消えていました。
あの運転手が言っていた事が本当かどうかはわかりませんが、私はもう彼を探そうとは思いませんでした。
そして、あのタクシーに出会うことも、もう二度とありませんでした」

86BGM

87ト書き終わり

●使用させて頂いたBGM・SE・BGSの詳細(敬称略)

ジングル:サウンドロゴ#31

クリエイター:Azell

サイト名:効果音素材のポケットサウンド

サイトURL:http://pocket-se.info/

曲名:ブリキのコーヒーメーカー

サイト名:H/MIX GALLERY

サイトURL:http://www.hmix.net/

効果音:雨1

効果音:雨の中の車

効果音:車のドアを開ける

効果音:車のドアを閉める/p>

効果音:落雷1

効果音:死後の世界

サイト名:効果音ラボ

サイトURL:http://soundeffect-lab.info/

●タイトル画像で使用させて頂いた画像素材・フォント(敬称略)

画像:雨風の背景 紫2

画像:血の付いた包丁

クリエイター:acworks

サイト名:photoAC

サイトURL:http://www.photo-ac.com/